VOL.2 NAIKA MC×DOTAMA

北関東を代表する2MCの対談が実現しました。

 

読み応えたっぷりの内容。またリリースについてのお話も聞けました。

 

是非読んでください。

 

 

About guests

NAIKA MC

UMB2011・2012群馬代表。本戦でも2011年・2012年と結果を残す。晋平太のUMB引退の引導を渡したのはこの男。現在も群馬在住のソロマイカー。一度始まるとLIVEが終わり続けるまでNO STOPで喋り続けるステージをモットーに、県内外問わず夜な夜な現場に姿を現す。そのNAIKAと言うフィルタを通し感情と言葉で伝えていく姿に共感を覚え始めたpeopleが、今なお増殖中との事。FREE STYLEとBEATBOXにも定評のある男。4月26日待望の1stソロアルバム「TEH TALK MAN SHOW」をリリース。

 

DOTAMA

UMB2011東京代表。栃木県出身。唯一無二のスタイルの笑うバトルMC。力強く高い声、激しいステージ、 練られた歌詞で、独自のラップミュージックを表現する。辛辣ながらユーモアのあるバトルを演出し、高いインパクトを残す。2010年 ソロ名義としての1stフルアルバム 「音楽ワルキューレ」、2011年SFヒップホップ短編集 「ホーリーランド」をリリース。独自のユーモアな視点から成るコンセプチュアルな歌詞、 激しくも感情表現豊かなラップで極めてオリジナルなヒップホップ作品を生み出している。2011年には『りんご音楽祭』『ぐるぐる回るfes』に出演。2012年7/13 DOTAMA×USK「リストラクション~自主解雇のススメ~」発売。

 

 

 

NAIKA MC×DOTAMA 対談インタビュー

 

 

 

インタビュー:フリスタ.com

 

――本日は、関東を代表するバトルMCのふたりにきていただきました。今回はMCバトル・UMBの話題を中心に自由にお話していただければと思います。お二人は現場でも会ったりはしているんですよね?

 

NAIKA MC:何気にそうですね。結構会うよね?

 

DOTAMA:そうですね。昔はバトルの現場が多かったんですけど、最近はライブの現場でも会いますし、曲も一緒に録るようになって。

 

NAIKA MC:そうだね、あれが“初絡み”だもんね。

 

――“曲作り”ではあれが初めてだったんですね。

 

DOTAMA:はい。かれこれ『一緒にやろう』っていう話はずっとしてたんですけど、晋平太さんのDevil’s tongue Remixが初めてでしたね。

 

 

NAIKA MC:もうボチボチ長い付き合いにもなったね。

 

DOTAMA:そうですね。

 

――お二人が初めて会ったのはいつ頃になりますか?

 

DOTAMA:僕がNAIKAさんを見たのは、栃木の“足利BBC”っていうクラブの「APPEAL」っていうイベントですね。たしかカルデラビスタさんが優勝したんですけど、その時に準優勝だったのがNAIKAさんだったんです。

 

NAIKA MCDOTAMAもその時に出てたよね。

 

DOTAMA:あれは第一回でしたよね?

 

NAIKA MCそうだね。当時はMCバトルっていうのが、まだあまりなかったんです。それこそB-BOY PARKMCバトルくらいしか認知度が無くて、そのなかでいきなりやったMCバトルのイベントで。2005年くらいですね。自分たちは20歳前後で、晋平太がB-BOY PARK獲るより前だったと思います。当時は今のUMBULTIMATE MC BATTLE)が「ラップおだまり道場」だった時代です。

 

――その時のお互いの第一印象ってどうでしたか?

 

NAIKA MC:一回戦の中でも「DOTAMA」というキャラが、そのときから物凄い個性の光り方してましたね。韻はバチバチ踏むタイプではなかったですけど、すごいなって思いました。だからバトル終わりにすぐに、『すごいっすねぇ』って声掛けに言ったんですけど、完全にキョドられちゃって() 目は合うけど、何も喋りかけてくれないっていう()

あの時話しかけにいった事覚えてる?

 

DOTAMA:覚えてますよ。今こそこうして話せますけど、本当にあのときはNAIKAさんが怖い人だと思ってて…() ラップもそのときは、いまのNAIKAさんとスタイルが違って、メリハリつけてライムして、カシガシくるっていう感じだったので…。それにとても尖ってた印象があって。それはいまも尖ってますけど…

 

NAIKA MC:尖ってますかね?() たしかにスタイルを変えたつもりはないですけど、やりやすいスタンスにシフトしていったっていうのは、間違いないかな。だけどDOTAMAはその点、当時から今のままだよね。もうすげぇ強烈() 一回戦からどんなに韻が巧いやつよりも、会場の『やばい』っていう声をさらっていくような感じ。でも喋ってみたら全然話さないっていう…()

 

DOTAMA:…(焦る)。

 

MC正社員(同席していた):いまもあんまり話してないですよね()

 

NAIKA MC:いや、いまと比べ物にならないくらい昔は話さなかったよ() 本当に仲良い人じゃないと挨拶もしてくれないくらい。

 

DOTAMA:すいません。完全に人見知りでした(苦笑)

 

NAIKA MC:そんなもんだよね。それでそのあと少し期間が空いて、UMB2006の水戸予選で、河川敷でTK da 黒ぶちと一緒に3人でサイファーして、まぁその頃からの付き合いですね。

 

――長い付き合いですね。正社員さんも面識はありますよね。

 

MC正社員:そういえばDOTAMAさんと初めて話したのはUMB REVENGEの時でしたね。

バトル中にDOTAMAさんがたしか『最近のジャンプは面白くない』って言ってたんですけど、それで決勝で負けてすごいナイーブになってるDOTAMAさんのとこにいって、『DOTAMAさん、ジャンプにも面白い漫画ありますよ』って声かけたんです。

 

DOTAMA:思い出した。すごい別の角度からバトルのダメ出しをされるという(笑)

 

MC正社員:『…他の人にも言われるんでしょうね・・』って言ってDOTAMAさん去っていったので、やっちゃったかなっていうのはありました(苦笑)

 

NAIKA MCPONYがあの時はすごい勢いだったよね。

 

MC正社員:俺はあの時はDOTAMAやばいってなりましたよ。あれは結構MCバトル史に残る名勝負だと思いますよ。DOTAMAPONY

 

NAIKA MC :正社員が前にTwitterでつぶやいてたけど、REVENGEだけのDVD見てみたいってのは、俺も同感。けどDOTAMAはあそこから2年くらいくすぶったよね。翌年も同じ様に決勝でKTSROに持っていかれたし。あの宇都宮予選では二人ともKTSROに負けるんだよね。あの時のKTSROは強かったなあ。決勝は結構延長したんだっけ?

 

DOTAMA:決勝は延長で、準決勝では3回くらい延長やりました。

 

――スマイル藤田さんとのバトルですね。お客さんにも『なんでこんな延長やらせてるんだ』って言ってましたよね(苦笑)

 

DOTAMA:あれでお客さんドン引かせちゃったんですよ(苦笑)

 

NAIKA MC:結局バトルにこれだけ出てると、みんな知り合いだったり、友達だったりするんで、バトルのときに優しさが出てしまうと、もっていかれたりする。

DOTAMAはそういうイメージはちょっとあったよね。

 

――そうなんですね。ですが逆に般若とあたった時は物凄い噛みついてたのが印象的です。

 

DOTAMA:あの時はそうですね、DOTAMAってのがいるんだっていうのを知ってもらえる機会になって、本当に感謝です。
あの時は、くじ引いた時点で般若さんってわかったんで、とにかくもう言いたいことを言いたいだけ言って、帰ろうって思いました(笑)

 

 

 

――DOTAMAさんは昔から既に、いまのスタイルをやっていたんですよね

 

NAIKA MC:そうそう、UMB2005のMCバトルで出てくるDOTAMAが、いまとなんら変わりないっていう()(注:当時は「怒頭」として予選に出場。予選の動画の中にでてくる)

 

――そうですよね(笑)その頃も含めて、当時から今のスタイルでMCバトルをしていて、感触的にはどうだったんですか?

 

DOTAMA:自分としては、オリジナルなスタイル前提でという話なのですが、
クールにフリースタイルしようとしてるときもあるんですけど、あのキャラがどうしても自分のラップとして出てしまうので。一時期すごい悩んだんです。もっとしっかり、マナー通りに押韻するっていうのも練習してやろうとしたんですけど、自分が好きだと思えるラップをしていくと、最終的にああなってしまうのもありました。それにあのような公の舞台に立って、追い込まれて、スポットライトを浴びると、余裕がなくなってきて…。本当の自分が出てしまう感じですね。

 

――なるほど。

 

 

DOTAMA:自分は自分のスタイルで、ガツンとやってるつもりなんですけど、何ていうんでしょう…。2連節で韻を踏んでいくっていう、MCバトルの王道のスタイルの中で、自分みたいに言いたいことを言いたい放題言うっていうスタイルに対する罪悪感みたいなのもすごいあって。
これは人に話してなかったんですが、前々から思ってたんです。やっぱりマナーを守ってやりたいんですよ、自分も。しっかり韻踏んで、しっかりリズムキープして、っていうのを。結構自分はケツでまとめていくタイプなんで。だから毎回勝ったときの爽快感以上に罪悪感もあって…。ただそれを凌駕しちゃったのが、…東京予選の時ですね。
その年の栃木予選で一回戦負けしたんですけど、それで自分のフラストレーションがMAXになってしまって。昨年と一昨年に準優勝をして、嫌らしい話ですが、自分でもあの年は結果を出せるんじゃないかって思ってました。けどそんな中挑んで一回戦負けだったので。
そんな自分が不甲斐なく感じてしまったと共に、そこで自分の怒りがMAXになってしまっていたので、言い方は乱暴ですけど、東京予選の時は『めちゃくちゃにしてやろう』みたいな感じでした。

 

 

NAIKA MC2011年の東京予選ね。下馬評だったら完全に晋平太だったあの東京予選の中、そこをGOLBYが伏せてね。

 

MC正社員ZONE THE DARKNESSRauDef等もいましたけど、そこも負けてしまってすごい混戦になったところをDOTAMAさんが制したっていう感じでしたよね。

 

NAIKA MC:混戦の中でも菊丸が漢さんを倒して…、その菊丸もGOLBYに刺されて。本当にGOLBYはあの日、東京の看板のMCを全部抑えていったんですよね。ただそこをDOTAMAが根こそぎ持っていったっていう。いつものDOTAMAだと二回戦三回戦くらいでベストバウトをつくってしまって、決勝で競って負けちゃうパターンもあって。それをストレートに払拭したのが東京予選だったかもね。

 

DOTAMA:そういえば、あの東京予選で表彰されてステージから降りて一番最初に会ったのはNAIKAさんでしたよね。

 

NAIKA MC:あの年の群馬予選で優勝して、初めてUMB本戦の出場権を手にしたんですけど、DOTAMAが『自分の事のように嬉しい』って言ってくれてたんですよ。だからもうあの時はステージから降りてきたDOTAMAを抱きしめました() 節目節目では結構会ってるかもしれないです。

 

 

――フラストレーションがMAXになっていた反動でもあったわけですね。たしかにそれまでは決勝のあと1歩の所で敗れてきたわけですよね。

 

DOTAMA:2010年は栃木でホームなのに最後は勝てなくて。MCバトルにおいて、個々のスタイルを貫いてラップするっていう主軸のテーマはみんなあると思うんです。その中でもヒップホップがマッチョな文化で、地元をレペゼンして、クルーをレペゼンしてっていうのを出した人間がどうしても強くなるっていうのがあると思うんですよ。
その中でも王道のスタイルで、面白くやるやつもいれば、ストイックにやるやつもいて、…何ていうんでしょう、その中で『自分はヒールなのか?』っていうか。メインのものに対するカウンターとしてやっている自分を意識せざるをえないときがあるんです。
それを含めても2011年の東京予選ではフラストレーションMAXになってました。いくら周りから『面白いね』『ヤバイね』っていわれても、結局それで結果を残せないんじゃ何も意味がないと思えて。MCバトルの世界ってそういうものだと思ってましたし。

 

NAIKA MCDOTAMAが言う様に、ヒールというか、ルールに乗っ取ってっていう言い方がいいかはわからないですけど、分かりやすく韻で勝負ができて、パンチライン構成でライミングしていくっていうのを、そういうスタンスで勝負しないものの、俺らほど意識してるのかもしれないです。

俺は韻を紡ぐっていうより、とにかくラップを吐いて、ビートにはめていこうっていう所から始まっているので。

韻が巧いやつがいて、それとは真逆だけど、そいつと同じくらい魅力のあるやつがいてっていう試合はすごい面白いと思うんです。韻でも、それ以外でもドッカンドッカン沸くっていうか。

例えば、UMB2011本戦でR指定とDOTAMAが一回戦でやったときに、俺は絶対R指定が勝つと思ってたんですけど、DOTAMAのあの絶妙な締めが会場を一気に沸かしたよね。UMBの中のR指定のスター性と、DOTAMAのもともとの根強い人気っていう意味でも、どっちが勝つんだろうって思ってたけど…、あの時DOTAMAは韻なんて踏んでないに等しいんじゃない?

 

 

DOTAMA:仰るとおり(苦笑)。踏めてても20%くらいですかね?

 

NAIKA MC:まあその20%で一気に振りきったのが、R指定に対して『そんなEXILEの二軍みたいな見た目じゃ、ニューヨークいってもPremierからビートもらえないよ』っていう締めだったよね。しかも最後の、抜きになって一番きれいに聞こえるパターン。

あの時は審査員制度が導入されてなかったっていうのもあったかもしれないけど、それでも持っていってたかもしれないし。

 

――たしかに押韻のみが判断基準では無いというバトルの奥深さもわかるような試合ですよね。押韻では勝負していないものの韻に対して人一倍意識はあるということですね。

 

NAIKA MCR指定が年末UMB獲って、チプルソが戦極獲って、KBDUMB OPENING GAME(東京予選A)獲っていうのは、バトル本来のライミングが評価されてる流れかもしれないですね。特にバトルの中でも精度の高い即興性のあるライミングを持ち合わせてるのは、東よりも西の方が正直多いなぁって思います。東京でいま本当に押韻でガッチリくるっていうMCGOLBYくらいしかあんまりイメージがないですけど、逆に関西いけば韻踏んでないやつの方が全然少ないくらいで。だから踏まなくても勝てるかどうかを試しに行くにはもってこいですよね。ただ年末SURRYに大負けしましたけど(苦笑)

だから年末のUMB2012本戦とか勝てるわけないだろうなっていう感じでした(苦笑)

 

 

――いやいやNAIKAさんめちゃくちゃかっこよかったですよ。準決勝でmol53に敗れましたが、晋平太・TK da 黒ぶちを倒してますからね。

 

NAIKA MC:いやー、ただmol53には延長でも勝てなかったから、あの日はあそこまでだったんだろうなぁって感じですね。

 

――あの日のバトルは覚えてますか?

 

 

NAIKA MC:そうですね…。TK戦はあいつの良さも知ってるし、正直あんまり言うことはないから、あの”一個”だけでしたね。実はあの”TK da 黒ぶち”と”陰険な嘘つき”っていう韻は狙ってて。でもTKは絶対に嘘ついてこないから、この韻は使えないだろうなってずっと昔から思ってたんですよ。実際に一回も使ったことなかったし、それを言えるタイミングも今まで一度もなかったんです。でもそれがまさか、『今日は嘘ついてきてる』ってバースがきたから、悪いけど刺させてもらったっていう感じでした。

あと晋平太との試合は強烈に覚えてますよ。やってて物凄い気持ちよかったです。やってて気持ちがいい試合って数少ないんですよ。

 

DOTAMA:わかります。

 

 

NAIKA MC:わかる?なんか単純に前年度の味も残ったままの状態のあの舞台で、晋平太だったからっていうのもあったかもしれない。UMB2011の決勝のは自分でもすごい払拭があって。だから何言ってもお客さんがあがるっていうか、そういう状況が気持ち良かったんだと思います。とにかく晋平太が俺の土俵に乗ってくれてたから、話が続いたと思います。韻でふさぎこんでくるわけでもなく、ちゃんと内容をもたしてくれたし。いままでやった試合のなかで一番気持ちかったですね。技術的にはブレスが続かなくなりそうになったところもあったりでしたけど、自分に迷いがなかったです。いつしかTKFiestaでやった時もそのような状況だったかな。相手も気持ちいいやつだと、そうなるのかもしれないですね。

 

 

DOTAMA:ある程度バトルに慣れてくると、相手の土俵でもやれるようになってくるし、向こうが合わせてくる人だと、こっちも合わせにいけるし、バトル上でそういう、独特のコミュニケーションが生まれてて。それで面白い試合になることも結構ある…というか絶対なるんですよ。自己満足で終わらないというか、対話しようとしてるんで、すごいいい試合になる。気がします。

 

NAIKA MC:ある意味での信頼関係がないといい試合ができないかもしれないね。

 

DOTAMA:それは経験もあるし、スキルもあるし、お互いが築いてきたフラットな人間関係もあると思います。

 

NAIKA MC:晋平太はいい試合を生みやすい。あいつが誰かと交われば、いい試合になりやすいですよ。ま、それだけあいつが持ってるポテンシャルが高いっていうことですよね。

 

 

――たしかに名勝負が多いですよね。最近はNAIKAさんは藤沢のMCバトルで優勝しましたね。

 

NAIKA MC:ありがとうございます。その藤沢の決勝はサイプエレス上野くんとの試合だったんですけど、久々にじゃんけんで勝って先攻をとったんです。俺は万に一つ、この先攻を“男”だと思ってほしいというか、それがわかってくれれば負けてもいいかなっていうくらい。じゃんけん勝って、やっぱり先攻をとりたいっていうか。でもそれを藤沢のお客さんでわかってくれた人は何人かいましたね。

 

DOTAMA:MCバトルは後攻の方が有利ってなってますけど、実は後攻とって負けるって結構ありますね。一回戦とかはまだいいんですけど、準決勝くらいまでになってると、2回3回勝って相手にも勢いが出てきてるから、先攻を渡した時点で、そのあがってるエンジンで潰される時があって。だったら自分が先攻をとって潰しちゃった方が楽という事もあります。

 

NAIKA MC:先攻と後攻。実はこれこそMCバトルの中で一番面白い心理戦かもしれない。MCバトルの先攻と後攻の美学はもっと取り上げるべきですよ。

 

 

――なるほど。今回はせっかくMC正社員さんにも同席していただいたので、お二人に聞いてみたいことはありますか?

 

MC正社員:そうですね…。例えばMCバトルで優勝して、賞金以外の旨味とかこうしてほしい事とかってありますか?

 

 

NAIKA MC:フリースタイラーといえど、俺は音源出してライブやることが一番だと思うから、そこに直結で繋がってくれるものがあったり、そこを応援してくれるものがあったらすごく嬉しいです。

 

DOTAMA:それはすごいわかります。MCバトルの面白さ楽しさっていうのは十二分に承知してるし、それがひとつのムーブメントになるのはわかるんですけど、やっぱりラッパーはミュージシャンでもある。それをおこがましく、リスナーの方に『フォローしてくれ、支えてくれ』って言うのはおかしな話なんですけど。フリースタイルができるミュージシャンっていうスタンスが大事だと思ってます。人を集めて、宣伝して、イベントを運営してるだけで十分すごいMCバトル主催の方に本当におこがましいのですが、なんとなく意識してもらえると。正社員さんは特にそこをすごく考えてくれてますよ。

 

 

MC正社員:そこはすごく思いますね。

 

NAIKA MC:バトルのイメージがほとんどだと思うから、フリスタ.comさんのやってることとか、MC正社員さんがやってることとか、見方を変えてくれるし、バトルのイメージを変えてくれるものはすごく望んでます。まぁ草バトルの多くはMCがやってるから、そのMC個人の問題もあるし、忙しいし。でもMCバトルをやりたいって想いでやってくれているので、いろいろ言うのはアレですけど…。

あとは単純に旅行とかついてたら嬉しいですよね()

 

MC正社員:旅行ですか() いろいろ案はありますけど、やってもいいのかなあってものもいくつかありますね。

 

 

DOTAMA:MCバトルをYouTubeとかで観てる子たちって日常で聞いてる日本語ラップはいまだったらやっぱりSIMI LABとかFla$hBackSとかPSGとかだと思うんです。もしそうじゃないとしても、“MCバトルシーン”と俗にいう“日本語ラップのミュージックシーン”が、乖離しちゃってるところが少なからずある気がしてまして。だからそこのすり合わせは、努力したいです。
MCバトルに出ていると、ラッパーがプロレスラーみたいに見られるというか。面白い事を言ってくれる、すごい戦いをやってくれる人っていう目で見られたりだとかするんです。そういうズレを自分はもっと合わせたくて。バトルMCがミュージシャンのラッパーとしてバトルと同じくらい活躍出来ればと思います。そのための努力はフリースタイルの修行と同じくらい必要だと思いますが。
いまハハノシキュウとアルバム作り終えそうなんですけど、それも正直言うと、バトルでの二人のあの飛び道具の良さはあんまり無いんですよ(笑) 聴いてみていただければ、違うかもしれないですが、これはこれでアリかなっていう。そこでDOTAMAとハハノシキュウっていうラッパーがいるっていうのを知ってもらって、その後にMCバトルもやってるっていう面を見てくれてもいい。
なんとなく聞いてもらえる方の層を拡げていければと。MCバトルに出てるから、MCバトルイズムのバトルMCらしい曲を作ってもいいんですが、そこで完結してしまうと、そこでグルグル回るだけになってしまうから。それは敢えてやってる部分はあります。

 

 

 

 

――ありがとうございます。では最後に音源の話も出ていたので、その話を聞いてもいいですか?

 

DOTAMA:6月にハハノシキュウと作っているアルバムをリリースします。術ノ穴から限定発売の予定です。僕とハハノシキュウがああいうバトルスタイルなんで、変化球なアルバムだったりっていうのを、期待されてるかもと思うんです。今回は"13月"っていうコンセプトをたてて。2011年に「2012年にクリスマスが終わる」っていうクリスマスソングをクリスマスに公開したんですね。もうクリスマスなんて消えちまえっていう(笑)コンセプトのクリスマスソング。ああいうバトルスタイルの自分達ならではかなって思いつつ。それで「このノリでバレンタインの曲とか夏休みの曲とかも歌いましょうよ」ってなって。1年分の行事の歌を作ろうって話になったんですよ。そこから1の曲目1月から12ヵ月分を一枚のコンセプトアルバムとしてやろうかなという事になりました。これでバトルの自分とハハノシキュウに対するイメージが変節しても、それはそれで面白いかなと。この音源から入ってきて、バトルの面白さを知ってもらってもいい。今回はコンセプトアルバムっていう限定された空間で、それも含めて、お互いの別の持ち味でつくりました。

 

――12ヵ月分となると、季節感のイメージの湧きにくい月もありますが。そのあたりはどうしたんですか?

 

DOTAMA:結構悩んだ月もありましたが、リリック的には四季折々の情緒を上手く表現できたかなあと思います。6月は梅雨の歌で、5月はゴールデンウィークの歌を歌ってまして…。もともとハハノシキュウも自殺についての曲を書いてたり、僕も通勤をテーマにリリックを書いたりしたこともあり、二人とも従来のHIPHOPのトピックではないトピックを歌ってはいたので、日本語のラップのテーマの面白さっていうのを出せればといいなと願ってます。ちなみに10月がハロウィンで、9月が後夜祭で…。

 

NAIKA MC:後夜祭?!()すげー9月だけ学園に入ったね()

 

DOTAMA:そうですね。学園祭の歌、みたいな。

 

NAIKA MC:でもあえて学園祭じゃないんだね。後夜祭()… 後夜祭いいね()

そういうセンスDOTAMAはやっぱりいいよね。

 

――後夜祭すごく気になります(笑)では6月近くになったらまた詳細が聞けそうですね。楽しみです。

続いてリリースも近づいているNAIKAさんにもアルバムのお話をお聞きしたいです。

 

NAIKA MC:バトルMCとしてのアルバムを作ったのかってよく周りには聞かれるんですけど、そういうつもりはなくて。それでも前よりはバトルのことが気持ちの面でも入ってるんですけど。それこそありきたりですが、俺はバトルMCとしてバトルに出てるけど、やっぱり音源やライブを売りたいなぁって思ってるんです。特にライブに値段が付いてくれる方がいいなぁって思います。ライブを意識して、自分のなかでの今までを落としこんだらこのアルバムが出来たっていう感じです。

 

――なるほど。

 

NAIKA MC:もはやこれがNAIKA MCです、みたいな。本当に頭からケツまで、アルバムも「TALK MAN SHOW」っていうタイトルなんですけど、本当に喋り続ける男のショーみたいな感じですね。

 

 

――「雨と風」のPVが公開されましたが、あれも非常に好評ですよね。

 

NAIKA MC:ありがとうございます。あれは全部の映像が、群馬で撮られた映画のシーンのオマージュなんです。例えば一番最初にバス停でバスを待っているシーンがあって、古いアパートがあるんですけど、それは「刑事物語5」っていう武田鉄矢のドラマで使われてました。あと民家を歩いてる様なシーンがあるんですけど、それは「血と骨」っていう北野武さんが撮った映画で使われていて、電車で揺られているシーンと青い靴が映るシーンは「人のセックスを笑うな」なんです。群馬で使われた映画のシーンをほとんどオマージュしきっていったっていう感じです。

 

あと会社のシーンは、リアルに職場のシーンです()

ラッパーってみんなのイメージだと、ストリートで、アウトローで…っていうのかもしれないですけど、ほとんど今日本でラップをしてるやつらは、生活はフリーターに毛の生えた程度、もしくは社会人と並行してやってるっていう奴が多いと思うんです。そのシーンをそのまま背伸びせずに伝えた映像になりましたね。

 

あと最近もう一本「da shining」っていうPVを公開して、5月に「Night Bee aka夜の蜂 feat 我次朗MIC」のPVをあげるんですけど、PVは三部構成になってて、全部話が繋がってます。映画がすごい好きなんで、こだわりました。

 

雨と風はそんな感じですね。あの曲は三年くらい前からサンプリングして作ってたんですけど、俺のアルバムが作り終わるくらいに、RHYMESTERさんがシングルで出しちゃったんですよね(The Choice Is Yours)。だからアルバムに入れるかすごい悩みました。それもあってYouTubeの冒頭の部分の公開のところに2011年からライブでやってる映像をいれて、ちょっと伏線いれてみた感じだったんですよね。

 

――伝わってる人もいましたよね。

 

NAIKA MC:そう。伝わってる人もいたからすごいよかったですけど、ヒップホップはサンプリングのミュージックなんで、ネタ被るのは色々ありますからね。

 

――ではアルバムの聴き所もお聞かせください。

 

NAIKA MC:アルバムの前半はMCバトルの気持ちや自分のスタンスを呈示していて、後半は自分の内側を曲にしてます。前半は本当にミュージックとして聴いてほしいし、前回のインタビューでラッパーは“人間味“っていう話をしたように、後半は自分の内側をラップしていて、自分に合わないようなものも含めて、「さよなら」(M-13)みたいにあえて曲にしたのもあります。「行方」(M-10)since 1983(M-14)は本当にリアリティーある自分の事をラップにしていますね。

あと是非フリスタ.comで伝えたかったところがあるんですが、途中で「skit 2002.7.14. Isesaki Luv smooth groove(M-8)っていうスキットが入ってるんです。これに俺がM.B.Aで晋平太のレミニスRemixの歌詞にも書いたんですけど、機材のせいにして、初めて売られたバトルMCの喧嘩、俺逃げたんですよ。要はフリースタイルが得意だったんですけど、人前でフリースタイルすることが出来なくて…。そのスキットでボッコボコにされてるんですよ、俺。アンサーもしないで、ウケ狙いして帰ってって…、人生で一番みじめな日だなって思ったんですけど、今思えばこの日があるから、MCバトルを今でもやってられるかなっていう。とにかくこれが人生でもっとも最低な負け方でした。

 

 

――それがアルバムに入ってるんですか?

 

NAIKA MC:それがそのまま入ってます。このスキットは知らない人からしたら飛ばされるかもしれないけど、俺のアルバムの中で最も一番自分の身を出してる所なんです。ほんと最低な負け方してますよ(苦笑ほんとは出したくなかったですが、バトルをやるにあたって、やっぱり最初は全然出来なかったし、弱かったし、人と向き合って勝負できる人間ではなかった。それを変えてくれたのがMCバトルだったし、自信つけさしてくれたのもMCバトルだったからこそ、忘れてはいけないなっていう意味でアルバムに入れました。これはフリスタ.comさんにどうしても伝えたかった所ですね。

あと冒頭の「Microphone Create(M-1)っていう曲はライブ前にやった即興のフリースタイルを切り取ってはめたんですけど、そこにMCマッキーさんの声が入ってる()

「やぶぁい!やぶぁい!」って()

なので、みなさんご存じのMCマッキーも参加してるって事で()

 

もしこのアルバムを聞いて、バトルのイメージが変わったとしても、それは本望です。

これがNAIKA MCっていうアルバムになっているので、興味がある人も、興味が無い人も、是非聴いてほしい。

 

――要チェックですね。発売が待ち遠しいです。

 

 

NAIKA MC:是非お願いします。

 

DOTAMAに向かって)ねぇ、二人で3曲入りのシングルとか作ってみない?

 

DOTAMA:いいですね。一緒にやりたいですね。

 

NAIKA MC:それって術ノ穴的にも大丈夫なの?

 

DOTAMA:大丈夫です。フットワーク軽く、ストリート限定とかでもいいと思います。

 

NAIKA MC:そうしましょ、そうしましょ。じゃあ限定100枚とかでシングルカットできる3曲入りとかで。

…では、うちら二人のも是非お願いしますって事で()

 

DOTAMA:…お願いします(笑)

 

――すごい終わり方ですね(笑)ではその共作にも期待しています。ではこの度はお二人ともご協力いただきありがとうございました。

 

 

―インタビュー後記ー

 

今回はSP対談、久々の第2弾となりました。最近の制作事情で、なかなかインタビューを頻繁に更新できていない現状がありますが、今回のSP対談をアップする事ができたのも、協力してくださったみなさん、NAIKA MCさん、DOTAMAさん、MC正社員さんのおかげです。改めて感謝の言葉を。ありがとうございます。

 

NAIKA MCさんは4月26日に1stアルバム「THE TALKMAN SHOW」をリリース、

DOTAMAさんもハハノシキュウとのアルバムを6月に発表。

二人の音源を是非チェックしてみてください。

バトルだけのイメージだけではもったいないと思いますよ。

また今回も下記にそれぞれのMC情報へアクセスする手段をリンクさせていただきました。

御活用ください。

 

フリスタ.comのSP対談には今後もどうかご期待を。

みなさまの暖かい応援・支えのおかげで続けることができています。本当に感謝してます。

 

(2013/4/27)

 

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-END-



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