VOL.7 MC正社員 a.k.a 吉田圭文

 

今回のSPインタビューは  

VOL.7としてMC正社員さんをゲストに迎えました。

 

<SPインタビュー リンク>

VOL.7 MC正社員(2014/11/18)

VOL.6 晋平太 (2012/11/21)

VOL.5 G.O (2012/6/17)

VOL.4 チプルソ (2011/12/13)

VOL.3 NAIKA MC (2012/01/28)

VOL.2 晋平太 (2011/12/13)

VOL.1 MC 正社員 (2011/12/08)

 


取材日 2014年11月18日



――今回は3年ぶりの登場になりますが、戦極MCバトルの主催者でお馴染みMC正社員さんに来ていただきました。お久しぶりですね。早速ですが、最近の活動内容から聞かせてください。

「お久しぶりです。個人で会社を立ち上げて、MCバトル団体の代表、レーベルオーナーをやっています。」

 

――戦極MCバトルはあくまで その活動のうちの一つと捉えた方がいいですか?

「一応僕の会社の名前が“戦極MC”っていう会社なんですよ。その中で『戦極MCバトル』っていうイベントがあって、来年からやる『戦極CAICA(カイカ)』っていうレーベルも。また他の大会もやる予定です。あとは他から来る音楽関係の仕事もちょこちょこ受けて活動してますね。」

 

――別のバトルとはどんなものでしょうか。

「『ラップバトルトライアウト(仮)』っていう大会で、ビートは完全募集にして、バトルの見せ方を変えるっていうのがあって。MCBATTLEを知るきっかけを増やすような大会にしたいと考えています。YouTubeに番組みたいなのをやって、例えばアイドル、ラッパー、YouTuber、芸人みたいな並びの中で、『ベストバウト振り返りましょう』みたいにするんです。その時にフォーカスを当てるMCもちゃんと決めて、そのMCがどういう人間なのか、とかも番組の中で見せていく。つまりは大会もあって、それをケアする情報番組もあるっていう。先をみていけばスポンサーを探して、テレビ局に売り込めたらそこで動こうかなっていう。ここに言ってる事、全部できるかわからないけど新しい事したいんですよね。可能性を広げたいっていうか。


個人的にはバトルがスポーツ化してるっていうけど、僕からしたら『そんなネガティブに捉える事か?』っていう感じなんですよね。別にスポーツ化してるんだったらスポーツ化でやったらいいんじゃないっていう。すごい最近『MCバトルこうなっていくね』っていう話もあるけど、それって“一般化した”ってことだと思うんですよ。ダンスだってそうだし。一般化したのが嫌だっていうんだったら、そういうHIPHOPを感じさせるバトルをそう思う人がやればいいと思うし。罵倒とかAs Oneは実際それで成功してるじゃないですか。俺は俺で戦極は戦極で続けていくから、ラップバトルトライアウトは入口みたいな大会にしたいと考えています。ラップバトルトライアウトから入って他にこんなやばい大会やラッパーもあるんだみたいな。」

――では戦極MCバトルの話も聞かせてもらいます。『戦慄』から『戦極』に変わってどうだったか、振り返ってもらえますか。

「ちょうど前のインタビューが戦慄から戦極に変わるタイミングだったんですけど、前のインタビューの時と比べて、一番は自分自身が遊びじゃなくなったなって。責任感もどんどん強くなりましたね。戦極でいうと1章〜4章はまだ働きながらやってたんですよ。5章から僕仕事辞めて、やってるんですね。だから5章からかなぁ、『これは俺も後に引けなくなってきたなあ』って思ってきたのは。」 


――なるほど。

「続けば強くほど、後には引けないっていう想いが本当に強くなりました。下手な事はできないなっていう。あとDVD出していって、途中から映像も良くして、音も良くしたじゃないですか。その効果もあってかファンというか知ってる人が爆発的に増えてきましたよね。 あとはやっぱり高校生ラップ選手権かなぁ。ちょうど5章の後に『高校生ラップ選手権』が始まってるんですよ。その辺の追い風もあって、すごいファンも若返ったし、それこそ戦慄の時は身内だけのイベントだったけど、今はどこから来たの?!っていう女の子のお客さんもたくさん増えましたよね」 


――実際に仕事を辞めるのは大きな決断だったと思います。

「辞めた理由としては、単純にもう両立するのは無理だったんですよ。やってた仕事は週5か6で普通に働いてましたが、全然好きな仕事じゃないわけですよ。でも自分も結婚してて、子供もいますし…。このままでいいのかなってずっと思ってたんですよ。」


「散々アスベスト、KEN(KEN THE 390)さん、G.Oさんにも相談しましたけど、その時はみんな辞めるのを止めていましたね。 仕事はやっていくべきだっていう。子供もいるしね。でも俺の中でそこがもう我慢できなくなったときがあって。生きてるのに、自分の好きな事しないで死んじゃっていいのかなぁっていうのがありました。もしダメでもいいから、日本で1個か2個しかないMCバトルの会社をやってみよう、と。


家族会議で家族に辞めるよって言ったら、90近い婆ちゃんと母ちゃんが号泣で。親父には20歳超えてこんなに怒られたこと無いっていうくらい怒られました。 でもそこで家族にすごい伝えたんですよ。今自分はこういうのをやってる、と。俺は、今こういう状況で MCバトルを主催してて、出てるMCは売れてなくて、みんなつらい思いをしてる。日本語ラップ自体が売れてないって。俺に唯一の才能があるとするなら、MCバトルのイベントを組んだりとか、そういう事しかないよ、って。全部MCバトルをDVDとか持ってきて説明したんですよ。親父に『俺は日本のMCBATTLE変えたいんだよ。』っていったんですけど、それで親父何て言ったかわかります?」



――父親なので、そこまで来たら、後押ししてくれたんでしょうか?

「いや『そんなものは変える必要はない』って(笑)

『お前は自分の家と娘、それを守れ』って(笑)」


――変える必要はない…って(汗)

「でも親父も社長やってたんですよ。だからそうは言っても俺がやる気なのはわかってたと思います。翌日『お前どうするんだ』って言われて、やるよって言ったら、『お前は野たれ死ねよ』って言われて(笑)わかった、俺は野垂れ死ぬよって言ったら。『わかった、会社立ち上げろ』って。元々親父は会社やってたから、税理士とか全部やってくれたんですよ。それにそのあと、本当に好きなことだったらやった方がいいって言われて、それは印象に残ってますね。」


 

――戦極のベストバウトは?

「ベストバウト…よく聞かれるんですよねぇ。最近だと10章のmol53対GOLBYとかよかったですね。mol53がかっこよすぎて、これmol53の勝ちかなって思ったんですけど延長になって。延長戦でmol53のジェスチャーが自分の胸のあたりを指さしてて、GOLBYさんが『ん?胸?乳首?乳首が浮いてる?乳首浮いてねぇーよ!俺はバンドエイド付けてんだよー!』って言って見せて、まじで付いてて(笑)、会場もぶち上がって、GOLBYさんが勝ったっていう(笑)あの日のGOLBYさん一味違いましたね。一個づつ選ぶんなら9章だとSIMON JAP 対 Mr.Smile。8章はCIMA 対 サイプレス上野。7章 ハハノシキュウ 対 SIMON JAPかな。」 


――SIMON JAPのバトルは食い込みますね。

「ここ数年のバトルを語るならSIMON JAPさんは外せないですよね。あとは6章ならstrey dog 対 ゆうま。あの試合はやばいでしょ。あとは結構最近2日間にしてるじゃないですか、そこで予選ラウンドで何としても俺が上がってくるんだ系は目をひくし、熱いなって思いますよね。俺は負けるわけにはいかねぇみたいなタイプ。」


「もう少し古いのも遡っていくと、1章はpoodle 対 SHUNかな。他にはチプルソ 対 黄猿、晋平太 対KTSROとか。後はHENAN 対 ドイケンとかも好きですね。テクニックvs小技みたいな。2章は KEN THE 390 対 Andersen , BASE対 Show the No.1, K.lee 対 SURRY。三章はNAOMY 対 八文字、ダースレイダー 対 アスベスト 2012年埼玉はTK da黒ぶち対オロカモノポテチ。5章はチプルソ 対 SIMON JAP。チプルソの試合は全部印象に残りますね」 



――正社員さんが好きなバトルってあるんですか?

「テクニック系でやばいなっていうのも好きですけど、本当に好きなのは人の内側が見える試合ですね。UMBでいうと、宮崎の…GADOROとか。 昨年の宮崎予選決勝 mol53 vs GADOROとか。あれとか本当に勝ちたいんだろうなっていう、まさに内側が見えるのは好きですね。

「戦極でいうとDOTAMA 対 GOTITとか超内側見えると思いますね。物凄い素が見える。そういう意味でもGOTITいいですよね、内側見せてくれる。タイプはちがうけどGILとか。あとあれ、最近だと萌黄対K-Hartz。 ああいう試合が好きです。」 



――話少しずれますが、MCバトルの司会者って実績のある人やMCがやってるイメージが強いですけど、戦極の司会者はそういう意味では…

「確かに実績の無さで言うと八文字さんは目立ってますね(笑)

戦慄の時に見た目の安定感がある人がいいよなあって思って。友達だったこともあって八文字さんになりましたね。八文字さんのかわいらしい顔とあの体格、あれは人に嫌な印象を与えないですからね。なかなかあのバランス感を持ってる司会って珍しいと思いますよ。


八文字さんはいまや戦極の人気のバロメーターだと思いますね。例えば大阪行った時に八文字さんがマイクチェックやっただけで「これこれ!」ってなってて(笑) 実際にそれだけで盛り上がりますし、最近は延長の時にみんなアスちゃんコールしたりしますからね(笑) 

――戦極は10章で終わりですか?このまま続きますか?

「10章で終わらそうと思ってたんですよ。

それはやっぱり自分も将来の事とか考えたら怖くなってきて。

40や50でできる仕事じゃないですか。あとは色んな人が色々俺に言ってくるのも嫌になって。それは、俺の考えが甘かったんですが、やっぱり自分としては周りのために頑張っているのに、なんで色々言われなきゃいけないのかなって思う事が増えて。まぁ、自営業だしすごい精神的に追い詰められてたんでしょうね。だからもう10章で辞めようと思ってたんですよ。なので、辞めるつもりでメンバー集めてたんですよ。 でも10章のメンバーもすごいやばいけど、バトルにオファーできなかった人も沢山いたんです。R指定、チプルソ、鎮座DOPENESSとか。やっぱりこの辺のMCを出して 本当の意味でのオールスターをやるまではやめられないなっていう。たぶんファンも納得しないでしょう。 

「あとアスベストとか八文字さんに相談したら、アスベストは『向こう10年は、正社員君以上のMCバトルオーガナイザーは出てこないと思う』と言ってきて。プラス俺が辞める事で誰も得しないって。八文字さんも『戦極が終わったからって、それが綺麗に終わるっていうだけで、誰も喜ばない。バトルファンも喜ばないし、正社員さんが辞めることでMCのチャンスも減るわけだから、続けた方がいい』って。だから本当に終わる時はスペシャルマッチが実現するか、俺が倒れた時じゃないですかね(笑)」 



――戦極今後も続くとして、UMBに対する立ち位置は?

「UMBが全国まわってて、高校生ラップ選手権は高校生の最強を決めてもらって、戦極はそのドリームマッチみたいな。他の大会があってこその戦極だと思いますね。罵倒、ENTER等も含めて。」 


――最近のUMBについてお話も聞きたいと思います。

「鎖の記者会見に関しては、結構ショックはショックでしたね。ファンとしてもショックだったし、立場的にもショックでしたね。でも晋平さんすごい頑張ってるし、漢さんも漢さんで、UMBを作った人だからすごいと思うし。鎖とLibraの話ってのは、単純にちょっと勿体無いかなとは思う。 本当にUMBがやった事や作ったシステムって素晴らしいと思うし。やばいMCを一気に見れて、それを観てるお客さんが判定して、さらには自分たちも2,000円(エントリー費)払えば出れて、その中でめちゃくちゃやばい試合もあって楽しめて…。8小節2本で途切れずにグルーブも生むシステムなんかも。このシステムを作った人は本当にすごいですよ。他にこんなすごいイベント無いですよ。どんなジャンルを通しても。


だからこそ、ここで割れるんじゃなくて、綺麗事みたいで嫌だけど、みんなもっとこう、今こそ一つになる時じゃないかなって。9sariやlibraに関しては当人同士の問題だから、僕が言えることはないですけどね・・。出てるMCやファンが困惑するような風にはなってほしくないですね・・。 あとここ数年、UMBに関しては高校生ラップ選手権の影響もあってか、MCも観客も若い子がめちゃくちゃ増えましたよね。でもまぁこうなってくると益々有名アーティストやリリースアーティストが出にくくなるんですよ。 だからこそ出てる人は偉いなって思うんですよ。SIMON JAPさんとかUZIさんとか相当すごいなと思います。そういう人は本当にMCBATTLEやHIPHOPに対して愛がある。」 

――続いて高校生ラップ選手権についてはいかがですか?

「高校生ラップ選手権には感謝しかないですよ。あれのおかげでお客さんもすごい増えたし、出てるMCもすごい増えたし、若返ったし。高校生ラップ選手権を見て、戦極とかを知ってくれたので、本当に感謝しかないですね」 

 

 

――MC正社員さんはすごく早い段階で声かけましたよね。

「そうですね。みんな高校生ラップ選手権について色々言う人もいるけど、規模感で言ったら現時点で最大級のhiphopイベントだし、あれのおかげでいろんなチャンスも回ってきてる訳だから。感謝すべきだと思います。オシャレなMCも増えたのも良かった。俺はやっぱりアーティストは外見が良くなきゃいけないと思うし。あと、そういえばなんですが、MCバトルイベントに行ったら、だいたい知ってる顔が多いんですけど、高校生ラップ選手権第3回に行った時に全然知ってる人がいなくて驚きました。そしてすごい覚えてるのが、RACKの事をR指定のパクりだみたいに言ったdisに全然湧かなくて。(えっ、てことはここにいるみんなR指定の事知らないの?!)って思ったのはすごい覚えてますね」 



――では最後に今後のMCバトルの未来について聞かせてください。

「それに関してはまじでわかんないですね。ただ、来年だと思うんですよ。いろんなことが変わるのが来年だと思います。だから、主催側は今まで以上に頑張らなきゃですよね。自分は来年からレーベルやって。レーベルも3人はきまってて、1人はスカウト中ですね。アスベスト以外は全員UMBの予選王者経験者です。まず、アスベストのアルバムが3月に出るんですけど今のところ経費的にだいたい○○万円(車一台分くらい)かかってるんですよ。 ・・たぶん若手のMCや地方とかのMC達とか、その金額払ってCD作るのって相当つらいと思うんですよね。経済的に。仮にそれを払えたとしても、ペイできる動きって今相当難しい気がします。特に地方に住んでる子とかは。だったら、自分が多少売り上げ貰っても、経費負担したり、戦極全体を通して押して行くってした方が絶対CDとしては売れると思うし、話題も作れると思う。制作費は自分が出すし、仮に赤だったら自分が負担します。アイディアも沢山あるし。

レーベルの当面の目標はやっぱりMCバトルに出てるMCが勝ち上がればCDも出せて、お金も稼げる、人気も増えるってことを全力でサポートする事ですかね。あとは見てるファンの期待を裏切らないイベント、大会を運営する、アーティストを排出するって事ですね。もうこの二つに尽きると思います。そしてやっぱり賞金も上げたいし、メディアにも持っていきたい。これ読んだ人は僕にデモでも何でも送ってきてほしいですね(笑)

 

暗い話題もあるけど、MCバトルはもっと世間に受け入れられるコンテンツだと思うし、出てるMCはもっと売れていい人材揃いだと思いますよ。実際、毎年よくなっているし。・・これを読んでるファンの方も周りに伝えてください。もう一人一人が重要な宣伝部隊ですよ(笑

あとスポンサーも随時募集しています!」


――ありがとうございました!

戦極MCBATTLE&戦極CAICA 2015年予定(上半期)

1月 戦極CAICA 所属アーティストアスベスト他2名発表

2月21日 戦極MCBATTLE第11章関西無双編開催(詳細下記)

2月末 戦極MCBATTLE外伝2014 東阪ツアー大阪八文字杯DVD 発売予定

3月 戦極CAICA 第一弾アーティスト アスベスト 2ndアルバム発売予定

3月 戦極MCBATTLE 第十章 真王座決定戦DVD発売予定

4月~6月 新大会ラップトライアウト(仮)開催予定

5月 戦極CAICA 第二弾アーティスト アルバム発売予定

また春先に 戦極から公式ミックスCDも販売します。 

2月21日 戦極MCBATTLE 第11章 関西無双編

前売りチケット購入はコチラ

※当日券出ないことも大いにあり得ますので、前売りがオススメです!


【場所】

OSAKA@TRIANGLE


【開催日時・時間】

2015年2月21日(土) 15:00-22:00


【GUESTLIVE】

晋平太/KENTHE390/LARGE IRON/K.Lee/NAIKA MC/GOLBY/蛇/KOPERU/MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻/Rude-α/梅田サイファー


【DJ】

peko/MADJAG/hamaya


【HOST MC】

八文字


【MCBATTLE】

64MC(現在32MC発表中)

ACE/MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻/じょう/K-razy/ヒラウザー/kakky/MCポテトa.k.a ST/西/ホロンバイム/MCfrog/成/Rack/蛇/諒太/MC課長/Kim a.k.a キムチ先生/MCRey/Silent Killa Joint/BRIAN/Rude-α/RISE/クラッシャー田中/nobu the star/マーダー/.ミステリオ/P.PONG/marsh/ガーリー/神門/大超/GOLBY/KOPERU



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皆様あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいいたします。今回のインタビューは2014年11月18日に録らせていただいた内容です。

 

MC正社員さんは2回目のインタビューでしたが、前回とは違う規模感のお話も聞けました。その先を観る先見性とMCバトルへの愛は日本一だと改めて思いました。いつもご協力ありがとうございます。今後も応援しております。


最後まで読んで頂いた皆様ありがとうございます。

戦極MCバトル・MC正社員の今後の動向は引き続き要チェックです。


      (2015/01/02)

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