決勝戦

ルール

 

●8小節4本もしくは16小節2本を先攻が選ぶ

●先攻にビート選択権あり。ビートはDJ JIN、DJ BEAT、DJ RYUが担当し、毎試合ビートは変わる。

 

 

決勝戦 DOTAMA vs R指定

このカードを見て何かを思い出す人が殆どだろう。

そう、あの2011年のUMBの本戦。一回戦のカードがR指定 vs DOTAMAであった。

 

背景を記しておくと、2010年の本戦で晋平太と二度の延長戦を戦ったR指定は敗れたものの、そのバトルの衝撃度・スキルから、一気にUMB優勝の大本命に。2011年の大阪予選でも強豪をそのスキルで圧倒し、年間でMCバトルをほぼ無傷でタイトルをとりまくっていた状況。

対するはMCバトル界最強の曲者、DOTAMAはUMB初期から出続けるMR.UMBが東京代表としてUMB本戦初参戦。そんな二人がまさかの一回戦激突。UMB名物でもある一回戦東京vs大阪である。

 

大会の優勝大本命視されていたR指定だったが、プレッシャーからか、先攻のバースから少し堅さが出てしまう。そんな彼に2バース目のDOTAMAの着地「そんなEXILEの2軍みたいな見た目じゃだめだよ、それじゃニューヨーク行ってもプレミアから100万のビートはもらえないよ‼‼」とどぎついパンチライン。R指定は2年連続一回戦で敗れた。

当時はその衝撃に「陪審員制があれば...」「8小節2本でなければ...」などと、色んな意見や議論があった。その時の心境をR指定は「UMB2012 CHAMPION MC'S FREE STYLE MIX」でも「2010年 蓋をあければ噛ませ犬、2011年 俺が”目玉”、と思っていたら再度くじかれた”出鼻”、”無様”、見事かちわられた”ドタマ(DOTAMA)”…」とラップしている。

 

そんな2人の2年越しの対決。しかも決勝という舞台だから、上がらずにはいられない。それはお互いに意識し、感じあっていただろう。

 

まず先手をとったのはR指定。この対決への想いをラップに乗っける。そして昨年本戦に出てこなかったDOTAMAをdisり、「お前の最近のライム”安いってな”、冗談とチャンピオンは休み”休みってか〜”?」対するDOTAMAもR指定に「お前が王者だろ、こっちがリベンジャー!」と熱くなるも、R指定もそれはこっちの台詞だとばりに2011年の話に持っていきカウンター。

やや優勢にバトルを進めるR指定だったが、小節毎にキレを増すDOTAMAはどんどんデンジャラスなラインを吐く。「UMB第1回おだまりラップ道場からこっちは出てるんだよ!」「R指定くんはMCバトルの申し子、だけどミュージシャンとしてはトーシロー!」「女子アナは口説けても勝利の女神は口説けない!」このラインには観客も沸きに沸いた。それまでのR指定ペースは崩されたが、「お前が覚えたのは韻の”踏み方か”?身の”振り方か”?お前の目の奥は”節穴か”?」「”認めろよ事実”、”イノセント”ではない”猪瀬都知事”」のきれいな着地に観客も沸く。正直どっちか勝ったのか全くわからない決勝に声も割れに割れた。決勝でこれだけ割れるのは実はUMBはなかなかない。延長したことすら無いからだ。

 

歓声の判定に晋平太も何度も確認したが、歓声はR指定のが大きいとジャッジ。陪審員に託されたジャッジは「延長」。

 

延長戦

先攻のR指定は気持ちよさそうなビートにフローをつけながら軽快にラップ。mol53にもフローで負けていた部分を指摘。ここからはさらにキレの増したDOTAMAが会場をボンボン沸かす。R指定の「”クリスチャン・ベール”、殺しのメロディ”口ずさんでいる”」のライムを拾って得意の映画ネタで噛みつく。この瞬時に映画の出演者やキャラクターで観客の歓声を誘えるラインを引っ張ってこれる脳味噌は本当に驚異的である。

そして「NAIKAさんの仇をとる!!」と意気揚揚に叫び、パンチラインをボコボコ投下しまくるDOTAMAが止まらない。

R指定はDOTAMAに勝つために今年も参戦しているんだとばりに熱いラップをするも、DOTAMAの「Rくんイケメンだけど、俺の方が最高にかっこいいでしょーー?!」で締めて、ここはDOTAMAが押し切ったか。

会場の判定はDOTAMAに。しかし陪審員はR指定。ここは延長でも妥当なほど「まだ見たい」という空気だったかと思う。しかし、もう延長はきっとないだろうなという雰囲気にも同時になった。

 

再延長戦

DOTAMAが1バース目から”限界”→幽遊白書の”幻海”に繋ぎ、幽遊白書の話を展開する。しかもR指定に唐突に「戸愚呂(とぐろ)ーー!!」と叫び沸かす。それに対してR指定は「俺が戸愚呂(とぐろ)、お前は幽助(ゆうすけ)?違うな桑原みたいなもん」と返答。

(知らない人のために簡単に補足すると 幽助が主人公、  戸愚呂(とぐろ)が非常に強かった敵役、桑原は味方だが若干サブキャラの引き立て役。リンク:幽遊白書wikipedia

するとDOTAMAも「たしかにおれは桑原、だっておれの本名はかずま!(桑原の下の名前は和真)」とのアンサー。対するR指定も「”エイサップモブ流派”、”炎殺黒龍波”!!!」の巧みなライミングで返す。炎殺黒龍波は幽遊白書の有名な技の名前なのだが、これを瞬時に組み立てたのが本当に凄いと感じた。(A$AP Mobとはヒップホップグループのこと)
さらに「これが”プロローグと”、…ヒップホップに”プロポーズを”」という渋いラインを王者が吐くも、「プロポーズって女子アナも口説いてたじゃん。この浮気者!!」とDOTAMAは見逃さない。最後の最後までどちらが勝つかわからない試合となったが、後攻の4バース目のラスト2小節で「おれは2軍じゃなくていまや1軍。プレミアのビートが無くても作るクラシック!!」と2年越しのDOTAMAへのアンサーでこのドラマを締めくくった。
 
優勝は…R指定!!
2年連続のUMB王者となりました。本当におめでとうございます。
そして準優勝のDOTAMAも大車輪の活躍でしたが、優勝には本当にあと一歩届きませんでした。しかしここ2年でR指定をUMBの舞台であそこまで苦しませたのはDOTAMAが初めてではないでしょうか。その勇姿に多くの人が感動しました。
 
R指定の優勝が決まり、今年もやはり司会の晋平太が表彰状を読むのだが、
 
感極まり晋平太が泣いていた。自分で「なんで俺なんだろ 泣」といってましたが、胸にくるものがあったのでしょう。今回のUMBでかっこよかったのは出場MC達というのはもちろんでしたが、晋平太は本当に男でした。マスターオブセレモニー。全予選の司会からPodcast、各地でのライブ等、UMBに関わる部分で一番貢献してくれました。本当にありがとうございました。
 
そしてその優勝したR指定、優勝フリースタイルでもラップしていましたが、デビューアルバムは完成している様です。史上初UMB2回獲ってからのデビューアルバム。
皆さん、是非是非チェックしてください。
 
 
-レポート後記-
今年のUMBもいろいろな因縁やドラマが交錯してすごいことになりました。
いろんな人がターニングポイントになると語っていましたが、本当にそうだったかもしれません。それはもう少し経ってから振り返ってみればわかるはず。
今年一番強いやつを決める、かっこいいやつを決める、上手いやつを決めるというテーマに付随してそのドラマ性を求めている部分があるように思います。
ドラマやストーリーのあるMCはやはり強いです。
 
ここで、あの曲のあのリリックが蘇る。
 
「あれから一体何年たった?
 
MCバトルはドラマになった。」
 
たぶん、そういうことなのでしょう。
 
 現在あまり更新できていない状況が歯がゆいですが、このサイトもMCのストーリーを伝えられる部分等をお手伝いできればなと思います。
最後まで読んで頂いた方、本当にどうもありがとうございました。
 
 

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R指定

 


 

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